AIコーディングツールは、商品ページやLPの雛形とコードまでは短時間で出せる。出せないのは、表示義務のある項目の確定、公開後の保守、担当が変わったときの引き継ぎだ。作れることと、業務として回し続けられることは別の話になる。
- AIが速いのは「型」の生成であり、何を書くべきかという判断はEC実務の側に残る
- 特定商取引法に基づく表記・景品表示法・薬機法の観点を、生成ツールは標準では検知しない。公開前に人が確定する工程が要る
- 一度作れることと、担当交代後も更新し続けられることは別の能力である
動画のとおりに作れてしまった翌週、手が止まるところ
昼休みに、EC担当者がスマートフォンでYouTubeを開く。おすすめに出てくるのは、AIにコードを書かせてWebサイトを作る、という種類の動画だ。たとえば【Claude Code超入門】実は簡単?!Claude Codeで実際にWebサイトを作成する様子を初心者でもわかるように解説させていただきますは、2026-08-29時点で約16万回再生されている。同じ趣旨の動画は他にもいくつも並んでいる。
断っておくと、本記事はこの動画の要約ではない。内容を視聴して検証してはいないため、動画が何をどこまで説明しているかについては書かない。扱うのは、この種の情報に触れたあとで、EC担当者の机の上に起きることのほうだ。
起きることは、だいたい決まっている。翌日か、その週の終わりに、担当者は自社の商品ページを開く。楽天なら RMS の商品編集画面、Shopify なら Admin の商品管理、BASEやSTORESなら管理画面の商品ページ。開いて、去年から一度も直していない説明欄をスクロールする。外注に見積もりを取ると金額も納期も自分の裁量では動かせないあの改修が、もし自分の手元で終わるなら、という考えがそこで浮かぶ。
そして実際にやってみると、雛形は本当に出る。セクションの構成、レスポンシブのCSS、ファーストビュー、比較表、よくある質問の開閉。ブラウザで開くと、見た目は自社の既存ページより整っていることさえある。ここまでは詰まらない。
詰まるのはその次だ。出来上がったHTMLを、どこに置くのかが決まっていない。
モール型なら、そもそも置ける場所が限られる。楽天の商品ページはRMSの説明文欄にタグを入れる形が基本で、独自のレイアウトを持たせたい場合は別の仕組みを使うことになる。使えるタグや外部ファイルの扱いにはモール側のガイドラインがあり、内容も改定される。ここは「AIが書いたコードが正しいか」ではなく「そのモールで許可されている書き方か」という別の問いになるため、着手前に現行のガイドラインを自分で開いて確認する必要がある。自社カートやShopifyであればテーマのファイルを触ることになるが、テーマを直接編集した場合、テーマ側の更新が来たときにその差分をどう扱うかという問題が新しく発生する。
置き場所が決まっても、まだ終わらない。価格は税込で出すのか。送料の条件はどう書くか。返品の受付期間はどこに書いてあるか。この3つを埋めようとして、担当者は生成されたページのプレースホルダを見る。「〇〇円」「送料無料キャンペーン実施中」といった、それらしい文字がすでに入っている。入っているが、自社の条件ではない。
作業を止めるのはコードではない。埋めなければならない事実の量だ。
なお、商品説明文そのものを生成AIに書かせる話は本記事の対象ではない。文章・タイトル・画像の生成をどこまで任せてよいかは商品ページを生成AIで作る:任せていい範囲と、危ない範囲で別に整理してある。本記事が扱うのは、その一段下の層——ページの構造そのものをAIエージェントに書かせる場合に何が変わるか、である。文章は差し替えれば直る。構造は、差し替えると壊れることがある。壊れたときに直せるかどうかが、この記事の論点になる。
問いは「作れるか」ではない。「保守の宛先」が空欄なだけだ
「AIでやれば、うちでも作れますか」。この質問には、たいてい正しく答えられる。作れる、と答えれば事実として合っている。
問題は、その回答が上長にとって役に立たないことだ。決裁する側が確かめたいのは、作れるかどうかではない。作ったあと、そのページの面倒を誰が見るのかである。以降、これを保守の宛先と呼ぶ。
保守の宛先とは、次の3行が埋まっている状態を指す。半年後にこのページの価格表記を直すのは誰か。その人は何のファイルを、どの画面から開けばいいのか。直したものが本番に反映されなかったとき、誰に連絡が行くのか。この3行が埋まっていれば、内製でも外注でも運用は回る。埋まっていなければ、外注していても回らない。
AIコーディングツールが変えたのは、3行のうち1行目だけだ。「作る人」の欄に、これまで社内に存在しなかった選択肢——担当者自身——が入るようになった。だが2行目と3行目は、ツールが増えても自動では埋まらない。むしろ内製にした瞬間、これまで制作会社が持っていた2行目と3行目が、まとめて社内の一人に移る。
移った先が誰かは、最初から決まっている。作った本人だ。
この移動が見えにくいのは、初日に何も起きないからである。公開した週は動く。翌月も動く。表面化するのは、その担当者が異動や退職で席を離れたあとだ。後任が価格の1文字を直そうとしてファイルを開き、どこを触れば表示が変わるのか分からずに閉じる。触ると何が壊れるか分からない以上、それは修正ではなく賭けになる。結果として、直せないページが1枚、売り場に残り続ける。
だから判断の順序を入れ替える。作れるかを検証するより先に、保守の宛先の3行を紙に書いて埋めてみる。埋まらない行があるなら、その行が埋まる形に作り方のほうを寄せる。内製をやめろという話ではない。内製の設計が1行足りていない、という話だ。
この「作れるか」ではなく「回せるか」で考える形は、コーディングに限らずAI活用の全般で同じように出てくる。EC担当者が次に何へ時間を使うべきかという論点はEC実務者はAI時代に何を学べばいいのかで扱っている。
AIが速いのは型まで。価格と表示義務は人が確定する
範囲を分けておく。ここを曖昧にしたまま「AIは使えるか/使えないか」で議論すると、話が噛み合わない。実務では、同じ1ページの中に、任せられる工程と任せられない工程が混ざっている。
先に前提を1つ開示する。本記事には、運営者自身がAIコーディングツールで商品ページを作った実測値(生成にかかった時間、手直しの工数、月額の実費)は入っていない。実測は0件である。したがって以下は「何分で終わる」という速度の主張ではなく、工程を性質で分類したものとして読んでほしい。速度の数字を出している記事に出会ったときは、それが何SKU・どのカート・誰の手による計測かを確認するとよい。
| 工程 | AIが出せるもの | 人が確定するもの |
|---|---|---|
| レイアウト・構造 | セクション構成、レスポンシブ対応のCSS、共通パーツの切り出し | ブランドの表記ルール、モール側で許可された書き方に収まっているか |
| 商品情報の記載 | 枠と見出し、書式の統一 | 価格・送料・在庫・型番・バリエーションの値そのもの |
| 法定表示 | 「特定商取引法に基づく表記」という見出しと入れ物 | 項目の過不足、記載内容が自社の運用と一致しているか |
| 計測・改善 | タグの設置場所の提案、イベント発火のコード | 何を成果と定義するか、どの数字を見て次に何を直すか |
この表の右列には共通点がある。どれも、社内にしか正解が存在しないということだ。自社の送料条件はインターネット上のどこにも書かれていない。返品の受付期間も、カスタマーサポートが実際に運用している基準も同じである。AIは、与えられていない事実については、それらしい形の文字列で埋める。埋まっていることと、正しいことは違う。
特に注意が要るのが3行目だ。通信販売の広告には、特定商取引法によって表示すべき事項が定められている。消費者庁の特定商取引法ガイド(通信販売のページ、2026-08-29に確認)には、販売価格・送料、代金の支払時期と方法、商品の引渡時期、申込みの撤回や契約の解除に関する事項、事業者の氏名・住所・電話番号などが列挙されている。加えて、申込期間の定めがある場合の記載、販売数量の制限などの特別な条件、ソフトウェアの動作環境といった、商材によって関わってくる項目もある。
ここで実務上わかれ目になるのが、一部の項目には「請求があれば遅滞なく提供する旨を広告に表示し、実際に遅滞なく提供する」ことを条件とした省略の規定があるという点だ。全項目を毎回フル表示している事業者と、条件を理解したうえで運用している事業者の差はここに出る。ただし何をどこまで省略できるかは条文と運用の理解が要る領域であり、自社の商材・販売形態で個別に判断すべきものになる。この記事の役割は「AIが出したページには、この確認工程が最初から存在しない」と指摘するところまでで、省略の可否そのものは消費者庁の一次情報と、必要なら専門家の確認に当たってほしい。
表現の側にも同じ構造がある。景品表示法は、実際よりも著しく優良・有利であると誤認させる表示を規制するもので、その対象は商品ページ本文に限らない。LP、バナー、同梱するチラシ、SNSの投稿も表示として扱われうる。AIが生成した1ページだけを点検して安心するのは、範囲の取り方として狭い。化粧品や健康食品を扱っているなら、薬機法の観点で「治る」「改善する」といった医薬品的な効能効果の表現が入り込んでいないかという別の点検も要る。
いずれもAIコーディングツールが標準では検知しない領域だ。ツール側の利用規約も、出力内容が法令に適合していることを保証する形にはなっていないのが一般的だ。生成物の権利関係や補償の扱いは提供事業者・契約プランによって異なるため、業務で使うなら利用規約の該当条項を自分で読んでおく必要がある。ここは「AIが対応している/していない」ではなく、最初から人の工程として設計に入れておく話になる。
そのまま使える「範囲指定シート」——AIに投げる前に埋める1枚
ここまでの内容を、1枚の手順に落とす。テキストエディタでも、スプレッドシートの1シートでも、紙でも構わない。着手前に10分で埋める前提で作ってある。
順番に4ブロックある。上から順に埋めて、最後まで来たら生成に入る。
ブロック1:保守の宛先(3行)
- このページを半年後に直す人: [ 氏名・役割 ]
- その人が開く場所: [ 管理画面名 ] の [ メニュー名 ] / ファイル名 [ ]
- 反映されないときの連絡先: [ 社内担当 / 制作会社 / カートのサポート窓口 ]
ブロック2:AIに書かせない値(生成の外側で管理する)
次の値は、生成物の中に直接書かせない。別の場所に一覧で持ち、生成後に人が差し込む。
- 販売価格(税込か税抜かの表記も含む): [ ]
- 送料と、無料になる条件: [ ]
- 納期・引渡時期: [ ]
- 返品・キャンセルの条件と受付期間: [ ]
- 型番・容量・素材・対応機種などの仕様: [ ]
- 事業者名・所在地・連絡先の表記: [ ]
ブロック3:生成ツールへ渡す指示文(このまま貼れる形)
- 作るもの: [ 商品ページ / LP ]。掲載先は [ カート名・モール名 ]。
- 使ってよい技術の範囲: [ HTMLとCSSのみ / JavaScript可 ]。外部ファイルの読み込みは [ 可 / 不可 ]。[ 掲載先のガイドラインで確認した内容をここに書く ]。
- 禁止事項:価格・送料・納期・返品条件・仕様・事業者情報を本文に書かないこと。該当箇所は
{{price}}のような差し込み用の記号で残すこと。 - 禁止事項:実績・受賞・満足度・比較優位を示す文言を、こちらが渡していない限り書かないこと。
- 構成: [ 必要なセクションを列挙 ]。「特定商取引法に基づく表記」への導線を必ず含めること。
- 出力:1ファイルにまとめ、差し込み記号の一覧を末尾にリスト化すること。
ブロック4:公開前チェック(上から順に、1項目ずつ潰す)
- ブロック2の値がすべて差し込まれ、差し込み記号が1つも残っていない
- 特定商取引法に基づく表記のページに到達でき、記載内容が現行の運用と一致している
- 生成物の中に、渡していない実績・効果・優位性の表現が入っていない
- (化粧品・健康食品などを扱う場合)医薬品的な効能効果を示す表現が入っていない
- 掲載先のガイドラインで禁じられている記述が入っていない
- スマートフォンの実機で、価格・送料・カートに入れるボタンが折り返さずに読める
- 計測タグが発火し、カートに入れる操作が計測側で確認できる
- 公開前の状態を、日付つきで1部保存してある
- ブロック1の3行を、当人以外の誰かが読める場所に置いた
この1枚は、そのまま社内で使ってよい。[ ] を自社の内容に置き換えれば動く。項目を減らす場合は、ブロック1とブロック2を残す。この2つが、生成物の品質ではなく運用の継続に効いている部分だからだ。
埋めていくと、たいていブロック1の2行目で手が止まる。管理画面のどのメニューから、どのファイルを開けばいいのかを、作る本人がまだ言語化していないからである。止まったこと自体が収穫になる。公開後に後任が味わう時間を、着手前に10分だけ先に払っている。
なぜこの1枚で事故が減るのか
事実を生成物の外側に置くと、混入が起きなくなる
ブロック2の狙いは1つで、AIに「知らない値」を書かせないことだ。価格や納期を本文中に書かせると、生成物は必ず何らかの数字で埋まる。それが自社の条件と一致しているかは、人が1件ずつ読んで照合するまで分からない。差し込み記号で残しておけば、埋まっていない箇所は目で見て分かる。チェックが「読んで判断する」から「空欄が残っていないか探す」に変わる。後者は疲れていても実行できる。
禁止事項を先に書くと、点検すべき範囲が固定される
ブロック3で「渡していない実績や優位性を書かない」と明示するのは、表現のリスクを生成の入口で狭めるためだ。生成後に景品表示法の観点で全文を読むのは負荷が高いが、そもそも書かせない設計にしておけば、確認すべきなのは「渡した文言だけが載っているか」になる。これも判断ではなく照合である。入口を絞ると、出口の検品が機械的な作業に落ちる。
作業の副産物として、引き継ぎ資料が1枚残る
ブロック1は、埋めた時点で引き継ぎ資料になっている。誰が直すのか、どの画面から入るのか、詰まったらどこに連絡するのか。異動の内示が出てから慌てて作る資料と同じ内容が、着手前の10分で先に書かれた状態になる。引き継ぎが失敗するのは資料を作る時間が無いからではなく、作れる人が席を離れる直前まで作らないからだ。
公開してからが本番——保守・引き継ぎ・計測は誰の仕事か
ページは公開した日から古くなる。価格が変わる。キャンペーンが終わる。カート側のテーマが更新される。ブラウザが新しくなる。どれも予定に入っていないが、必ず来る。
ここで既製の仕組みとの差が出る。ノーコードのカートサービスや既製テーマを使っている場合、表示の枠組みやセキュリティの更新は提供側が動かしている。自作した部分については、動かす主体が自社になる。この差は機能表には出てこない。
| 観点 | AIコーディングで自作した部分 | 既製テーマ・カートの標準機能 |
|---|---|---|
| 表示内容の責任 | 自社。項目の過不足も自社で点検する | 自社。ただし入力欄が用意されており、抜けに気づきやすい |
| 更新の主体 | 自社。放置すると古い実装が残る | 提供事業者。仕様変更の通知が来る |
| 壊れたときの窓口 | 作った本人。不在なら止まる | サポート窓口・ヘルプセンター |
| 自由度 | 高い。やりたい表現をそのまま作れる | テンプレートの範囲に収まる |
費用の比較も必要になるが、金額をここに書くのは避ける。カートサービスは月額の固定費と決済手数料率のトレードオフで組まれており、しかも料金は改定される。AIコーディングツール側も、定額の入門プランと上位プラン、API利用の従量課金という複数の形があり、価格改定が入る領域だ。比較するなら、自社の月商・注文件数・SKU数を入れて、各社の公式料金ページの現行値で試算すること。他人の記事に載っている数字で判断すると、たいてい半年前の値を見ることになる。
もうひとつ、公開後にしか出てこない仕事がある。売れているかどうかを見る作業だ。ページが表示されているだけでは何も分からない。どの経路で来た人が、どこまでスクロールして、どこで離脱したのか。カートに入れたあと購入まで進んだのか。この計測の設計と、数字を見て次の1手を決める判断は、生成の対象外にある。ページを作る技術と、売り場を改善する技術は、隣り合っているが別物だ。
実務でこの差が現れる場面は決まっている。ページを作り直した翌月、上長から「で、上がったの」と聞かれる。答えるには、作り直す前の数字を取ってあることが前提になる。取っていなければ、作ったものが良かったのか悪かったのかを誰も判定できない。手元に残るのは、きれいなページ1枚だけになる。
ページを作れることと、売上に効く運用ができることは別のスキルであり、時間の使い方も変わってくる。この先どちらに投資するかという論点はEC実務者はAI時代に何を学べばいいのかで扱っている。コーディングを覚えるかどうかという問いに対して、工程に分解して手順に落とす力のほうが先に来る、という整理をしている記事だ。
正直な前提——この記事が当てはまらない場合
1回きりの販促ページなら、ここまでの設計は重い
3日間の企画で、終わったら消すページを作るなら、保守の宛先を書く意味は薄い。壊れても消して終わりだからだ。ここまでの手順が効くのは、公開後も残り続けるページ——定番商品のページ、常設のLP、複数商品で使い回す型——に対してである。期間限定と常設で、同じ手順を当てる必要はない。
社内にコードを読める人がいるなら、話が変わる
情報システム担当や、Web制作の経験がある同僚が社内にいるなら、保守の宛先の1行目と3行目は最初から埋まっている。その場合はブロック2とブロック4だけを使えばよい。この記事が想定しているのは、EC担当が1〜3名で、外部のデザイナーや開発者を常時抱えていない体制のほうだ。
ここに書いたのは分類であって、正しさの保証ではない
法令の運用、カートサービスの仕様、AIツールの料金と利用規約は、いずれも改定される領域にある。本記事の記述は2026年8月時点で確認できた範囲のものであり、判断の前には自社で一次情報に当たってほしい。それでも、工程を「AIに任せる部分」と「人が確定する部分」に分けるという分け方そのものは、料金や仕様が変わっても動かない。
まとめ:作れるかを問う前に、宛先を埋める
要点を並べ直す。
- AIコーディングツールが速いのは、レイアウトと構造という「型」の部分である
- 価格・送料・納期・返品条件・仕様といった値は、社内にしか正解が無い。生成物の外側で管理する
- 特定商取引法に基づく表記、景品表示法や薬機法の観点は、ツールが標準では検知しない。人の工程として設計に入れる
- 内製にした瞬間、制作会社が持っていた「保守の宛先」の2行目と3行目が、社内の一人に移る
- 着手前の10分で、保守の宛先・書かせない値・禁止事項・公開前チェックの4ブロックを埋める
AIが変えたのは、作る人の欄だけだ。半年後に直す人の欄と、壊れたときの連絡先の欄は、いまも人が手で書くしかない。
作れるかどうかは、もう論点ではない。直せるかどうかが論点だ。
よくある質問
AIで作ったページが公開後に壊れたら、どうすればいいか
最初に戻せるかを確認する。公開前の状態を日付つきで保存してあれば、そこへ戻してから原因を探せる。保存が無ければ、動いていた状態を再現する作業から始まることになる。だからチェックの最後に「公開前の状態を1部保存」を入れてある。復旧の速さを決めるのは技術力ではなく、戻せる材料が手元にあるかどうかだ。
商品説明文をAIに書かせるのと、何が違うのか
直し方が違う。文章は、間違っていたら書き換えれば元に戻る。構造は、触った箇所と表示が崩れる箇所が一致しないことがあり、直すために全体の作りを理解している必要が出てくる。任せる範囲の線引きも、文章は「事実か表現か」で引くが、構造は「壊れたときに直せるか」で引くことになる。
コードが読めない状態で、内製に踏み込んでよいか
踏み込むかどうかより、範囲を決めるほうが先になる。既存の売り場を動かさずに済む範囲——たとえば新規のLP1枚、あるいは社内向けの資料ページ——から始めれば、失敗しても売上に影響しない。逆に、稼働中の主力商品ページの構造をいきなり置き換えるのは、戻し方が確立していない段階では取らないほうがよい判断だ。
既製テーマとAIでの自作、どちらから試すべきか
判断材料は3つある。そのページが常設か期間限定か、社内にコードを読める人がいるか、既製テーマの範囲で実現できないことがあるか。3つ目が「特に無い」なら、既製の枠内に収めたほうが保守の宛先を埋めやすい。既製では届かない表現がはっきりしている場合に、その部分だけを自作の対象にする、という切り分け方もできる。
生成されたコードを、そのまま商用で使ってよいか
提供事業者と契約プランによって扱いが異なるため、利用規約の該当箇所を確認してほしい。一般に、出力物の利用について定めた条項と、第三者の権利侵害が起きた場合の補償について定めた条項は別に置かれており、後者はプランによって有無が変わることがある。業務で継続的に使うなら、この2点は着手前に読んでおく対象になる。
結局、費用はどのくらいかかるのか
金額は本記事では書かない。AIコーディングツールもカートサービスも改定が入る領域で、記事に固定値を書くと数か月で古くなるためだ。試算するなら、AIツールの月額または従量の想定額と、カートの月額固定費、決済手数料率の3つを、自社の月商と注文件数に当てて並べる。比較の前提として、自作した場合は制作費が減る代わりに保守の時間が社内に残る、という点も同じ表に入れておくと判断しやすい。


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