AI生成画像を商品ページに使う場合、最初に確認すべきは景品表示法の優良誤認リスクとモール(Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング)の画像ガイドライン適合の2点。AI生成の開示を一律に求める法的義務は2026年9月時点で確認されていないが、実物との乖離が大きいほど返品・低評価に直結するため、開示より実物整合性の担保を優先すべきだ。
- AI生成画像そのものは違法ではない。問題になるのは「実物と著しく異なる表現」であり、AIかどうかは規制の中心ではない
- モール3社の画像ルールは「実物と一致しているか」「テキストや誇張がないか」という表現内容ベースで、AI生成であること自体を審査対象にしていない
- 「AI生成である旨の開示」は一律の法的義務ではない。ただし人物・利用シーン・レビュー風の画像はステマ規制と交差する領域に入る
「AI生成された商品を買ってみた」が126万回再生される市場で、売る側は何を見られているのか
朝いちばんに商品ページのレビュー欄を開くと、星3つが1件だけ増えている。文面は短い。「写真と質感が違う気がします」。担当者は自分がアップロードした1枚目の画像を開き、手元のサンプルと並べて見る。並べても、どこがどう違うのかを言葉にできない。悪い画像には見えない。ただ、指摘されると否定もできない。
この種の疑いは、いま消費者側でまとまった話題になっている。YouTubeチャンネル「ぜるふぃー / ZELLFY」の「AI生成された商品を買ってみた!」(2026-01-03公開)という切り口の動画が、2026-09-01時点で126万回を超えている。本記事はこの動画の主張を要約しないし、引用もしない。ここで確認しておきたい事実は一点だけだ。「商品画像がAIで作られているのではないか」という見方が、126万回という規模で買う側に共有される話題になっている。
ただし、この話題はほぼ全部が買う側の言葉で流通している。見分け方、騙されない方法、怪しい出品の特徴。そこに書かれていないのは、売る側の基準だ。自社の商品ページに自分でAI生成画像を載せる立場の人間が知りたいのは「どうやって見抜くか」ではなく、「どこまでなら使ってよく、どこから先は事故になるのか」である。この問いに答える文章が、極端に少ない。
現場では、質問はもっと生々しい形で来る。新商品の撮影が間に合わない。カメラマンの空きが再来週で、モールのイベントはその前に始まる。ディレクターが画面を指して言う。「この背景、AIで作り直していいですか」。
担当者は上長に聞く。上長は「法務に確認して」と言う。法務に聞くと「モールの規約に従ってください」と返る。モールの規約を開いて「AI」で検索すると、ヒットしない。質問は一周して、最初の担当者の手元に戻ってくる。
誰も嘘をついていない。答えを持っている人がいないだけだ。
この問いが解けないのは、難しいからではなく、三つの別々の問いが束のまま扱われているからである。ほどくと、こうなる。
- 表示の問題:その画像は、商品を実際より著しく良く見せていないか(景品表示法・優良誤認表示)
- 出品ルールの問題:その画像は、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの画像要件に適合しているか
- 作為性の問題:その画像は、事業者の表示であることを隠していないか(ステルスマーケティング規制)
三つは、判断の物差しも、違反したときに誰から何を言われるかも違う。表示の問題で来るのは行政の措置だ。出品ルールの問題で来るのは審査の差し戻しと商品ページの非公開で、来る速度はこちらのほうが圧倒的に速い。作為性の問題は、外部のSNSや口コミ側で火がつく。
順に見ていく。最初に片付けるべきは、いちばん誤解されている一つ目だ。
景品表示法が見ているのは「AIかどうか」ではなく「実物との距離」だ
景品表示法5条1号が禁じているのは、商品の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認させる表示である。競争事業者のものより著しく優良だと誤認させる表示も同じ枠に入る。消費者庁の解説ページ(優良誤認表示とは)を開いて条文の説明を読むと、そこには生成AIも、画像の作り方も出てこない。
2026-09-01時点の確認では、生成AI画像だけを対象にした専用の解釈やガイドラインは見つけられなかった。今後も出ないという意味ではない。ただ少なくとも現時点では、AI生成画像は既存の優良誤認の枠組みでそのまま判断されると読むのが自然だ。「AI生成画像用のルール」を探しても見つからないのは、規制が追いついていないからではなく、規制が手段を見ていないからである。
つまり審査の目盛りは、AIか実写かではない。実物との距離だ。
同じ「AIで加工した画像」でも、距離はまったく違う。
- 距離ゼロに近い:自分で撮影した実写から、背景の埃や写り込んだケーブルを消す。白背景に切り抜く。傾きを補正する
- 距離が開きはじめる:実写に、実際には無かった自然光の影を足す。色を「実物っぽく」補正した結果、実物より鮮やかになる
- 距離が遠い:撮影せず、商品そのものをAIに描き起こさせる。生地の織り目、金具の光沢、木目、縫製のステッチ
この順に、届いた箱を開けた購入者が「思っていたのと違う」と感じる確率が上がる。三つ目は、購入者の期待値を作っている情報そのものが実物に由来していない。ここが優良誤認に最も近い場所であり、AIかどうかとは無関係に、手描きのイラストでも過度なレタッチでも同じことが起きる。
そしてこの距離は、行政の指摘より先に、もっと地味な場所に出る。返品だ。
返品理由の選択肢に「イメージと違う」がある。CSがその返品を1件受けたとき、記録に残るのは返品理由のコードだけで、原因になった1枚目の画像までは遡られない。月次の締めで返品理由の内訳を出したとき、「イメージと違う」の件数が先月より増えている。担当者はその数字を見て、少し考えて、次の議題に移る。増えた理由は、そこには書かれていない。
だから距離は、感覚ではなく手順で測る必要がある。実物を手元に置き、公開予定の画像を並べ、購入者が期待値を作る属性を一つずつ突き合わせる。色、質感、サイズ感、同梱物、付属品の有無。この5つは、返品やクレームの理由として挙がりやすい項目でもある。突き合わせて言葉にできない差があるなら、その画像はまだ公開しない。
Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの画像ガイドラインは、AI生成画像を名指ししていない
二つ目はモールだ。法律と違って、ここで来るのは行政の措置ではなく、審査の差し戻しか商品ページの非公開である。実務上のダメージが先に出るのは、ほぼ確実にこちらだ。
Amazonの商品画像要件は、セラーセントラルのヘルプ内にある。ログインが必要な領域のため本記事では原文URLを示さず、二次情報の範囲で骨子だけを挙げる(数値と条件は必ずセラーセントラルの最新のヘルプで確認すること)。メイン画像は純白の背景であること、商品が画像の大部分を占めること、商品を正確に表していること、テキスト・ロゴ・透かし・販促文を入れないこと。
この要件のどこにも「AI生成」という語は出てこない。書かれているのは、商品を正確に表しているか、余計なものが写っていないか、である。手段ではなく、映っているものを見ている。
楽天市場は、RMSの商品画像登録ガイドラインが正になる。第1商品画像についてはテキストの占有率、枠線や帯の可否、背景の条件、アニメーションGIFの可否といった項目が定められている。ここでも、AI生成画像を名指しで禁止する条項は、公開情報の範囲では確認できていない。具体的な数値はRMSのガイドラインが改定されるため、記憶で運用せず、登録のたびにRMS内の最新版を開くこと。
Yahoo!ショッピングも同様で、ストアクリエイターProから登録する画像に、テキスト占有率や背景に関する条件がある。なお、Yahoo!ショッピングは買い物客向けに生成AIを使った機能を提供している立場でもあるが、それは消費者向け機能の話で、出品者側の画像ルールとは別の文脈だ。混ぜて読むと判断を誤る。
3社に共通しているのは、審査が表現内容ベースだという点である。実物と一致しているか。テキストや誇張が入っていないか。生成の手段は、審査項目として出てこない。前節の言い方に戻せば、モールもまた実物との距離を見ている。
ひとつだけ、手段そのものに触れる動きが報じられている。2026年7月、Amazonが第三者出品者に対し、商品画像・動画・A+コンテンツに含まれるフォトリアルなAI生成人物へのラベル付けを求める方針を示した、という報道がある。報じられている実装は、画像のIPTC/XMPメタデータの `dc:subject` フィールドに `contains-synthetic-performer` というキーワードを付与する方式で、対象はAIで生成した人物に限られ、実在の人物をAIで編集した画像や、人物が写っていない画像は対象外とされる。
ただし、この記事の調査時点で、Amazon公式ヘルプの該当ページと報道記事の一次URLは特定できていない。したがってこれは確定した仕様ではなく、確認すべき観点として扱う。自社の商品画像にフォトリアルな人物を生成して使っているなら、セラーセントラルのヘルプ検索で該当の記載があるかを自分で引き、無ければ無いと記録しておく。
仮にこの方式が正式なものだとすれば、実務で詰まる場所は「付けたかどうか」ではなくなる。画像編集ソフトの書き出し設定でメタデータを削除する運用になっていれば、付けたはずのキーワードはアップロード時点で残っていない。確認すべきは、書き出したファイル、あるいはアップロード後のファイルに残っているかどうかになる。ここは画像編集の担当と、画像を登録する担当が別の人であるほど抜ける。
担当者はR-Cabinetを開いて画像を差し替える。差し替えた瞬間、商品ページの1枚目は入れ替わっている。審査の結果が返ってくるのは、その後だ。だから確認は、アップロードの前に終わっていなければ意味がない。
そのまま使える「AI生成画像 公開前チェックリスト」(社内ルール1枚つき)
ここからは、前段を読んでいなくても使える一本道の確認手順だ。分岐は入れていない。実物が手元にあれば、1商品あたり5分程度で通せる分量にしてある。この節は自由に複製して、自社の作業手順書やチェックシートに貼り付けて使ってよい。[ ] の部分を自社の内容に置き換える。
A. 生成する前に決める
- その画像がページのどこに載るかを確定する。メイン画像(1枚目)/サブ画像/ライフスタイル・利用シーン画像/A+コンテンツ・商品説明欄。判断の厳しさはこの順に緩む。メイン画像は購入判断の起点なので、ここだけは実物の撮影データを土台にする
- 生成の対象範囲に線を引く。背景・光・影・構図までを生成の対象にするのか、商品本体にも及ぶのか。推奨する線は「商品本体の形状・色・素材・ロゴは生成物で作らない」。この一行が社内ルールの背骨になる
- 差し替え前の画像を退避する。登録済みの画像を上書きすると前の状態に戻せない場合がある。ローカルに `[商品管理番号]_[YYYYMMDD]_v1.jpg` の形で保存してから作業に入る
B. 生成する
- 元データは自分で撮った実写にする。プロンプトだけで商品を描き起こさない。撮影が間に合わないときほど、ここが最初に崩れる
- 商品マスタに無い属性を画像に足さない。防水を思わせる水滴、実際には付いてこない小物、サイズ比較用に置いた別商品。画像に写った時点で、それは表示になる
- 人物を生成したら、作業記録に残す。フォトリアルな人物は、モール側の扱いが変わりうる領域である(前節のとおり、Amazonの動きは要確認)。後から「これは生成か」を調べ直す作業を発生させない
- ファイル名に生成物の印を入れる。例:`[商品管理番号]_life_ai01.jpg`。3か月後の自分が、実写か生成かを開かずに判別できる状態にしておく
C. 公開前に突き合わせる
- 実物を手元に置いて並べる。色・質感・サイズ感・同梱物・付属品の有無。この5点を、口に出して一つずつ確認する
- 商品説明文と画像が矛盾していないか見る。画像では白いのに説明文はアイボリー、画像には台座が写っているのに説明文では別売り。テキストと画像を別々の人が作っていると、ここが必ず割れる
- モールの画像規定に当てる。テキスト占有率、枠線・帯、背景、拡張子とサイズ。数値は改定されるので、記憶ではなく毎回モールの管理画面から最新のガイドラインを開く
- キャプションを1行入れる。「画像はイメージです」で終わらせない。何がイメージなのかを書く。例:「背景と小物はイメージです。商品本体は実物を撮影しています」
- 作った本人以外に1人見せる。作業した人間は実物との距離を測れない。見せる相手は、その商品を知らない人のほうがよい
D. 公開したあとに見る
- 公開から30日、返品理由と問い合わせを分母つきで記録する。例:出荷 [ ] 件中、「イメージと違う」 [ ] 件。前月の同じ数字と並べる
- レビューに画像への言及が出たら、文言をそのまま記録する。要約しない。購入者が使った言葉が、次の撮影指示になる
- モールから差し戻し・削除の通知が来たら、指摘文言を一字一句コピーして残す。審査基準の運用は公開情報だけでは分からない。自社に来た指摘文言が、いちばん精度の高い一次情報になる
そして、この15項目を毎回思い出さずに済むように、1枚だけ紙を作る。以下をコピーして、[ ] を埋める。
【[ 店舗名 ] AI生成画像の使用ルール([ 制定日 ])】 1. メイン画像(1枚目) 実写のみ。生成AIによる加工は [ 背景除去まで可 / 不可 ]。 2. サブ画像 商品本体は実写。背景・光・影の調整は可。 3. ライフスタイル・利用シーン画像 生成可。ただし商品本体の形状・色・素材・ロゴは実写から変更しない。 キャプション「[ 背景と小物はイメージです。商品本体は実物を撮影しています ]」を添える。 4. 人物 [ 使用しない / 使用する ]。使用する場合は生成である旨を作業記録に残す。 5. 公開前の最終確認者 [ 役職・氏名 ]。実物を手元に置いて、色・質感・サイズ感・同梱物・付属品を確認する。 6. 差し戻し・クレームの記録先 [ 保存場所とファイル名の規則 ]
この紙の価値は、線が引いてあることではなく、線を引いた人の名前が5番に入っていることだ。AI生成画像の運用が事故になるのは、誰も決めていない状態で、締め切りに追われた人が個別に判断し続けたときである。
「AI生成である」の開示は義務なのか、それとも自衛策なのか
結論から書く。商品ページに「この画像はAIで生成しました」と表示することを一律に求める法的義務は、2026-09-01時点の調査では確認できなかった。したがって開示は、いまのところ義務ではなく自衛策である。ただし但し書きが二つある。
一つ目は前節のAmazonの動きだ。プラットフォームが個別に開示を求める場合、それは法的義務ではなく出品規約上の要件になる。守らなければ行政ではなくモールから止められる。二つ目が、三つ目の問いに当たる領域、ステルスマーケティング規制である。
ステマ規制は、令和5年3月28日内閣府告示第19号によって景品表示法5条3号の指定告示として運用されている。規制の対象は「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示」だ。消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aを読むと、要件になっているのは事業者の関与とその不明瞭さであって、素材の作り方ではない。
ここでも「AIかどうか」は要件に入っていない。見られているのは、誰の表示なのかが読み手に分かるかどうかだ。
この線を実務に降ろすと、境界はかなりはっきりする。自社の商品ページや自社アカウントで、AI生成の利用シーン画像をイメージ図として使う場合、そこが事業者の表示であることは一目で分かる。ステマ規制が問題にしている「判別困難」には当たらない。危ないのは、生成した画像を第三者の投稿に見せかけたときだ。使用感を語るレビュー風の画像、購入者が撮ったように見える開封写真、それらを口コミサービスやSNSに一般ユーザーの投稿として出す。この瞬間に、話は画像の質の問題から、誰の表示かを偽った問題に変わる。
実際に踏みやすいのは、社内より外注の側だ。SNS広告のクリエイティブを外注し、指示書には「UGC風で」とだけ書いてある。上がってきたのは、生活感のある部屋で商品を使っている画像で、隅に手書き風のひとことが入っている。担当者はこれを広告として入稿する。広告枠で出る限り事業者の表示であることは示されるが、同じ素材が広告枠の外に転用されると、その担保は消える。
素材そのものは変わっていない。変わったのは、それがどこに出たかだけだ。
だから開示は、義務の話としてではなく、距離を縮める道具として使うほうが実務に合う。「画像はイメージです」を機械的に貼るのではなく、何がイメージで何が実物なのかを書く。この一行があるだけで、購入者の期待値は実物側に寄る。返品理由の「イメージと違う」は、法的責任の話が起きるずっと手前で、粗利を削っている。
正直な前提 — このチェックリストで防げないもの
1. モールの審査運用は、公開情報だけでは読み切れない
3社の画像ガイドラインは公開されているが、実際にどこで差し戻されるかは運用に依存する。同じような画像が通る店舗と止まる店舗がある。本記事の内容は公開情報と報道の範囲での整理であり、自社の商品ページが審査を通ることを保証しない。だから前節のD-3、指摘文言をそのまま残す作業がいちばん効く。
2. 生成AIツール側の利用規約と権利の問題は、この記事の範囲外だ
商用利用の可否、出力物の権利の扱い、他社の意匠やロゴに似た出力をしてしまった場合の責任。これらは景品表示法ともモールの画像規定とも別の枠組みで、使うツールごとに条件が違う。チェックリストを通しても、この論点は一つも解決しない。使うツールの利用規約は、契約した本人が読むしかない。
3. これは社内の線引きであって、法的判断ではない
本記事は一般的な整理であり、個別の表示が優良誤認に当たるかどうかの判断ではない。金額の大きい施策や、効果・性能を訴求する商材では、社内法務や専門家の確認を挟む前提で使ってほしい。
それでも、公開前に実物と画像を並べる工程を持っている店舗と、持っていない店舗の差は決定的だ。工程が無い店舗では、判断は毎回その日の担当者の感覚に委ねられ、事故が起きたときに何を直せばいいのかも残らない。
磨くべきは生成スキルではなく、止める判断のほうだ
ここまでを5行にまとめる。
- AI生成画像それ自体を禁じる法規制は確認できていない。景品表示法が見ているのは実物との距離である
- Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの画像ルールも、生成の手段ではなく表現内容を審査している
- 開示は現時点で一律の義務ではない。ただしモールが個別に求める動きがあり、第三者を装えばステマ規制の領域に入る
- 事故は行政より先に、返品理由とレビューという地味な数字に出る
- 線を引く場所は「商品本体は生成物で作らない」。決めた人の名前を書いて紙にする
画像を作る技術は、この1年で誰でも手に入るようになった。プロンプトの巧拙で差がつく時間は、もう長くない。差がつくのは、上がってきた1枚を実物の横に置いて、公開を止められるかどうかだ。止める判断には、商品知識と、返品がどこで発生するかの土地勘と、モールの審査で何を言われるかの記憶が要る。生成AIはこの三つを持っていない。
そして、この判断力は職務経歴書に書きにくい。「AI生成画像の使用ルールを策定し、公開前チェックの工程を作った」と書ける人は、実際にはほとんどいない。やっている人はいるのに、言語化されずに個人の中で終わっている。だが採用の現場では、こういう「止めた経験」が評価されうる。ツールを使えることは前提として扱われ、使った結果を判断できることが差になるからだ。EC担当者の市場価値は、どの経験で決まるのか。自分の職務経歴を棚卸しするときの参考になるはずだ。
よくある質問
Q. 商品ページに「AI生成画像を使用しています」と書く必要はありますか
2026-09-01時点の調査では、それを一律に求める法的義務は確認できませんでした。ただしモールが出品規約として個別に求める動きは報じられており(本文のAmazonの例は一次ソース未確認)、出品しているモールのヘルプで最新の記載を確認してください。義務の有無とは別に、何がイメージで何が実物かを1行書くことは、返品を減らす目的で有効です。
Q. メイン画像(1枚目)にAI生成画像を使ってもいいですか
モール側の要件は「商品を正確に表していること」であり、生成か実写かを条件にしていません。ただしメイン画像は購入判断の起点で、実物との距離が最も直接的に返品につながる場所です。実務上は、メイン画像だけは実物の撮影データを土台にし、生成の使用範囲を背景除去や傾き補正までに限定する運用を推奨します。
Q. 実写の背景をAIで別の部屋に差し替えるのは、実物との距離が開きますか
商品本体が実写で、背景だけを差し替えているなら、商品の内容そのものの表示は変わっていません。距離が開くのは、背景の変更によって商品の大きさや質感、同梱物の印象が変わる場合です。差し替えた画像を見た人が、商品のサイズや付属品を誤って理解しないかを基準にしてください。判断に迷ったら、キャプションで背景がイメージであることを明示します。
Q. 商品説明文をAIで書く場合も、同じ論点になりますか
枠組みは同じで、見られるのは実物との距離です。テキストの場合は、商品マスタに無い属性(防水、食洗機対応など)をAIが補って書く事故が起きやすく、画像より発見が遅れます。300点を一括でリライトするような運用では、生成前にマスタの値を差し込み変数で渡し、生成後に機械で突き合わせる工程が必要になります。
Q. モールから画像を差し戻されました。まず何をすべきですか
指摘文言を一字一句そのままコピーして保存してください。要約すると、次に同じ判断をするときの材料が消えます。そのうえで、差し戻された画像と、通っている自社の他の画像を並べて、何が違うかを1点だけ特定します。特定できたら、その1点を社内ルールの紙に追記します。運用上の審査基準は公開情報からは読み切れないため、自社に来た指摘の蓄積が最も精度の高い判断材料になります。

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